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島原の子守唄は、昭和32年に発表された歌謡曲です。
作詞・作曲は宮崎康平さんです。
「江戸子守唄」「中国地方の子守唄」のように、
昔から歌い継がれてきた民謡のように思えますが、
比較的最近作られた歌なんですね!
島原市は長崎県の南東部にあり、
夜8時にこの曲がミュージックサイレンで鳴るそうです。
島原駅前には「島原の子守唄像」もあるみたいですよ!
「島原の子守唄」の歌詞
→楽譜をさがす
強い方言などでなじみのない単語の意味を
調べてみました。
(「島原の子守唄」作詞・宮崎康平より引用)
●おどみゃ
「わたし」という意味。
●しょうかいな
そうかいな。
誰かと会話しているわけではなく、
調子をとるために囃し立てる言葉。
●オロロンバイ
こちらも囃し言葉。
「中国地方の子守唄」に出てくる
「ねんころろん」に近い。
●鬼の池の久助どん
鬼の池は熊本県天草市にある地名。港がある。
島原と海をはさんで南に位置する。
久助どんは実在したかは不明ですが、
娘を売り買いする仲介役をしている人。
●といも飯、あわン飯
さつまいも、粟(雑穀)を混ぜたご飯。
米が足りなくてカサ増しのために入れている。
●べンナ、つば
ベンナは、口紅のこと。
つばは、くちびるのこと。
唇と書いて「つば」と読む。
●不知火(しらぬい)
九州の有明海などでみられる現象。
蜃気楼のような光の屈折により、
漁火が左右にのびてチラチラとうごく。
昔は妖怪だと思われていた。
●バテレン祭り
長崎県や熊本県天草市でおこなわれる
ポルトガル、オランダの影響を受けたおまつり。
独特な歌詞ということがわかりますね!
「島原の子守唄」の意味
歌詞全体の意味を見てみましょう。
1.
わたしは島原の
梨の木のある貧乏な家で育った
なんのナシだろう?
色気もなにもナシですよ
(私に価値はないから連れていかないで)
泣かないで早く寝てね
鬼の池の怖いおじさんに連れていかれるよ
2.
帰りには寄っていってくれませんか
粗末な家ですけど
さつまいもご飯や粟ご飯
(白米ではないけど)
黄金の飯がありますよ
あそこのお嫁さんの口紅は誰がくれたの?
唇につけたら燃えるような暖かい色だよ
3.有明沖の不知火が
消えたり燃えたりしているよ
バテレンのお祭りの
笛や太鼓も鳴り止んだよ
早く寝なさい ねんころろ
当時の島原は貧しい家が多く、
近くの港から娘たちが外国に売られていた、
という背景がありました。
娘たちは港へ連れていかれるのを
とても恐れていたのでしょう。
しかし少数ですが出稼ぎから戻ってきた
お金持ちになった娘をうらやむ気持ちもみえます。
作詞者はシングルファザーの苦労人!?
作詞者の宮崎康平は1917年(大正6年)、
いまの長崎県島原市に生まれました。
もともと目を患っていた康平は、
島原鉄道で働いていましたが
過労がたたって失明してしまいます。
さらに経済的な不安などがたたり、
妻は2人の子どもをおいて
家出してしまったのです。
2人の子を目の見えない状態で
育てる苦労…はかりしれませんね。
その頃に幼子に聞かせていた子守唄が
「島原の子守唄」だったのです。
重ね合わせたのかもしれませんね…
「島原の子守唄」を歌うコツ
悲しい歌詞の歌ですが、
昭和に大ヒットしたのもうなずける
とても耳なじみがよく歌いやすいメロディーです!
わたしも子守唄特集のためにおぼえましたが、
ついつい口ずさんでしまいます。笑
昔からある歌なのできちんと決まったメロディーはありませんが、
シンプルな音程で歌えるようになったら
最初と最後の部分を
細かくゆらして歌う練習をするとカッコイイです!笑
シンプルな音程↓
ゆらした音程↓
ちなみに森山良子さんの歌い方を参考にしてます!
ほかの子守唄もとてもステキですよ〜✨